(その1から続く)
編集部:今後の新モデルについて、できる範囲で教えてください。
Chahil氏:グローバルに見るとPalmのユーザーというのは1,000万人以上おります。最近のリサーチの結果ですが、その99%以上が、ぜひ他の人にもPalmを持ってもらいたいと思っているということで、Palm信仰者というかエバンジェリストとして、多くの人が広めてくれています。そこで、先ほども申し上げたように、私たちとしても「次のレベルのエクスペリエンス」というものを真剣に考えるタイミングにきているのではないかと思っています。
編集部:たとえば、どういったことを考えていますか?
Chahil氏SDの採用など、これまでになかった柔軟性をサポートし、ワイヤレスの世界でさまざまなことを楽しませる、そういったことになると思います。別の側面から考えると、既存のユーザーに新しいユーザーインターフェイスを提供しながらも、新規のユーザーを掘り起こしたいということです。もう1つ、基調講演でも触れましたが、これからはサードパーティとの関係もますます広がっていくと思います。最近聞いた話なのですが、Palmをてのひらに置くだけで、体調がわかるというシステムもあるそうです。このように、サードパーティとの関係をより深いものにしていくことで、ユーザーが本当に欲しいと思っているソフトウェアやハードウェアを提供できると考えています。関係者が一丸となって、Palmを中心としたさまざまなシステムを作っていくという形で、これからも展開していきたいと考えていますし、広告戦略に関しても、協力していきたいと思います。
編集部:具体的には、どのようなものがありますか?
Chahil氏:「アメリカ・エア・ライン」が行っているサンノゼ空港の例なんですが、搭乗手続きの長い列に並ぶことなく、Palmを使ってワイヤレスで手続きが可能ということですし、ワイヤレスプリンタと接続して印刷することもできるとのことです。今年の夏から後半にかけて、新製品を中心として、このようなソリューションを推進していきたいと考えています。Palmにおいて、ストレスのないテクノロジー、使ってみて本当に楽しいと思えるテクノロジーを、ユーザーの歩みとともに提供すること、これこそが重要であると考えています。ともすれば、ユーザーを無視してテクノロジーが先行してしまいがちですが、そうすると、逆に「ジョイフル」ではなく「ストレスフル」になってしまいます。それは、私たちとしては避けなければならないと思っています。
鳥谷氏:レジなどで、クレジットカードの代わりに使うというコンセプトは「eウォレット」と呼んでいるんですが、わかりやすくいうと、ホテルのチェックインなどの際に、自分の情報をPalmに入力しておけば、ホテル側は赤外線の端末があれば、並んだりする必要がないということです。将来的には、Bluetoothであるとか、ワイヤレスであるとかが考えられますが、ここで言いたいのは、何も高度な技術を導入しなくてもよいということです。ユーザーとしても、赤外線で端末同士が繋がればいいわけですから、「ワイヤレスでセキュリティが‥‥」ということよりも、今あるもので、できることから明日からでも始められる、というのが私たちの哲学なわけです。
Chahil氏:人々の生活に、これから、もっとPalmが深く入っていく中で、コンピュータ業界でも赤外線というものが重要となってくると思います。それらの統合という意味でも、Palm OS 4.0というのが1つのポイントになってくると思います。
編集部:具体的には新モデルについては?
鳥谷氏:秘密保持契約をいただかなければお話できませんが、これからの展開に期待していてください(笑)。
Chahil氏:プロダクトのセグメント化、違いというものをはっきりとさせていきたいと思っています。先ほども、これからは新しいユーザーを増やしていきたいと話しましたが、このマーケットではこういう機能をサポートすることによって、このコストに見合った最高の製品を提供していく、というように、これからの新機種を投入する予定です。プロダクトの違いを鮮明に打ち出していくということになると思います。今後、Palm Poweredのプラットフォームから、さまざまなソリューションがでてくると思います。そこには、ソニーのメモリースティックやハンドスプリングのテクノロジーというものも、ますます重要になってくると思います。ちょうど、自動車に大衆車もあれば高級車もあるといったように、これからは、それぞれのユーザーセグメントのニーズにあった製品を展開していくことになると思っています。
鳥谷氏:簡単に図を書いてみたんですが、値段を横軸に、ユーザーセグメントを縦軸にとると、一般には、「CLIE」や「Pocket PC」がハイエンドで値段が高い、「Visor」がちょうど中間にあって、私たちの「m100」が値段が安くビギナー向け、と書かれることが多いんです。私たちも、ハイエンドの製品はあるのですが、ちょっと古くなってしまったんで、こういう風に書かれてしまうのはわかるのですが、彼が言ったように、私たちは新製品を投入することで、これを縦断的に、すべてのセグメントで需要を満たすことを考えています。これは常に考えていることでもありますし、もう1つ、大事な軸があって、この図にもう1つ軸を作って欲しいんですが、ファッション性というか、デザイン性というのが、この商品の(「Palm Vx」を指して)一番のウリは「かっこよさ」というところにあると思うんです。CLIEなどもブランド力があるのですが、ユーザーに聞いてみても、この商品のデザイン、メタル感とか、薄さとかがいいという人も多いんです。本当は、この辺りのことも、もっと取り上げていただきたいところなのですが(笑)。
よく描かれるハンドヘルドのチャートだが‥‥
編集部:それは、私たちの責任ですね(笑)?
Chahil氏:まあ、それはともかくとして(笑)、イタリアには「Ferragamo」という繊細な素晴らしい靴を作るメーカーがあります。ドイツには「Dr.Martin」という靴があります。こちらは、とてもかっこいい靴なんですが、ちょっと形が大きくて頑丈なんですよね。どちらもスタイルが確立されているわけで、こういうスタイルの違いをこれから出していきたいと思っています。
鳥谷氏:CLIEにしても、Visorにしても、シリーズで形が同じですよね? 私たちの製品は、それぞれ特長があるわけです。それも含めて、「デザイン性」ということを大事にしているのです。
これが彼らの主張する「正しい」チャート
Chahil氏:「ライフスタイル」にあったものかどうかということが大事なのです。最近は、『VOGUE』や『Mademoiselle』といった、ライフスタイルマガジンにPalmが載ることも珍しいことではないのですが、たとえば、『Mademoiselle』では、3つの項目があって「Crazy」「Sexy」「Cool」のすべての部門でPalmが選ばれました。こういうテクノロジーがライフスタイルマガジンでこうやって大きく取り上げられるのは、私が知る限り初めてではないかと思います。これまでは、コンピュータの世界というのは男性中心だったわけですが、これから変わっていくと思います。その意味では、インターネットはデモクラシーだと思います。米国だけ見ても、男性が49%、女性が51%と、まさしく平等が実現されているのがインターネットだと思います。女性も男性もアピールできる、本当にデモクラティックなデザインを目指していきたいと考えています。「妻をPalmと間違えた男」(編集部注:Oliver Sacksの『妻を帽子と間違えた男』をもじっている)という漫画がある(顔がPalmになった奥さんの漫画を取り出して)のですが、これくらいPalmを愛している人がでてくるくらいにね(笑)。女性に受けているのは、スーパーモデルClaudia Schifferの力も大きいのだとは思いますが。
編集部:「Macworld Conference & Expo/Tokyo 2001」にも出展されますが、そこでの見どころを教えてください。
鳥谷氏:1つは、パームコンピューティング社長のCraig Willがセミナーで話すことになっています。あと、アップルコンピュータ(株)のブースで、新Power Mac G4から「Palm DeskTop」がバンドルされているので、お客さんはPower Macを開けた時からPalmと連携させて使うことができるというデモンストレーションを実施する予定です。3つめは、基調講演でも触れた「gMedia」を配布する予定です。
Chahil氏:gMediaを作ったのは、QuickTimeを作った連中なんですよね。そういう意味でも、MacとPalmは最高のハーモニーの中で共存していくのだと思います。実は、基調講演の最初に登場したGabrielもApple社に在籍しておりました。「Macworld Conference & Expo/San Francisco 2001」でも、Appleのブースの横に場所をもらったのは幸運だったと思いますし、多くのMacファンの方がPalmのブースに来てくれました。今後とも、両社の関係を強いものにしていきたいと思っています。Macユーザーには、必ずPalmを持ってもらいたい!と思います(笑)。私がそう言っていたと原田社長にもお伝えください(大笑)。
鳥谷氏:「Macworld Conference & Expo/San Francisco 2001」では、Appleブースの隣でしたが、日本では、ユーザーグループの隣です。「一番熱い」と聞いたので、いくつか候補はあったのですが、あえてそこを選びました(笑)。ぜひ、交流したいということで。
編集部:サンフランシスコでは、大きな2階建てのブースで、DJ風のデモンストレーションを大々的にやっていましたが、日本でも同じようにするのですか?
鳥谷氏:こっちは、そこまで大きくないですよ。でも、去年よりは大きくなっているんですけどね。まだ、ちょっと予算がないもので‥‥。(と、Chahil氏を見る)
Chahil氏:彼はすぐに「金をよこせ、金をよこせ」というんだ(笑)。だから、毎回、「もっと成功したらな」と言っているのだが(大笑)。私がApple社にいたころも、お金がなくて、コツコツと積み上げて今があるわけです(笑)。
編集部:日本のユーザー、特にMacユーザーに何か一言いただけますか?
Chahil氏:「Newton」を見てもわかるように、MacユーザーというのはPDAの「アーリーアダプター」だと思うんですけど、現在は「Palmを通してあの夢をもう一度」と思っています。開発者とPalmが手を組むことによって、世界そのものを、特に「ユーザーエクスペリエンス」というものを変えることができると思っているので、ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
鳥谷氏:「アーリーアダプター」と言いましたが、最近、Macの世界でもiMacやiBookといった、ビギナーや普通の人向けのセグメントを掘り起こしていて、Appleさんも非常に協力的です。iMacを使っているようなユーザーこそ、Palmを使ってもらいたいと考えています。「アーリーアダプター」というよりは、そういう一般の人がPalmを持つというような世界を作り上げていきたいと思っています。
Chahil氏:そう、MacとPalmは1つの「ファミリー」と言ってもいいと思います。
米Palm社
http://www.palm.com/
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「ワイヤレスとSDでPalmの世界が広がる!」:Chahil氏インタビュー(その1)
http://macfannet.mycom.co.jp/news/0102/14/0214chahil_interview_no1.html