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ハリウッド並みのSFXだって夢じゃない
〜 LightWave 3D Ver. 7.5レビュー

執筆: 相子達也

LightWave 3Dは映像制作の現場で活躍するプロ向けハイエンド3Dソフトである。バージョン7.5でさらに高機能になったにも関わらず、価格が下げられている。最近の映像制作に不可欠な3D効果をLightWave 3Dで実現しよう。

強力なハイエンド3Dを作成!

このレビューでは、ムービー作品に「LightWave 3D Ver.7.5」をどう使うのが効果的か考えてみようと思う。このLightWave 3Dは映画やテレビ番組、CM、ゲームに活躍しているソフトなので、そのパワーは各方面で実証済みである。およそ3D CG制作のための機能はすべて揃っていると言っても過言ではないのだ。となれば、後はあなたが脚本家になり、監督、カメラマン、大道具さん、特殊効果担当もこなして映像が作れる環境を手に入れたことになる。どうです? わくわくしてきたでしょ。

LightWave 3Dは基本的に3つのソフトから構成されている。モデリングを行う「Modeler」オブジェクトを配置し、ライティングやアニメーションを設定する「LightWave」、そしてこれらの連携をサポートする「Hub」だ。またプラグインを追加することで機能がどんどん拡張できる。

まずはすべてをLightWave 3D上で作ってしまう方法だ。ロボット物でもファンタジー系でもよい、ストーリーを考えキャラクターをスケッチして、モデリングを始めよう。定評あるポリゴンモデラーである「Modeler」のさまざまな機能で頭の中のイメージに近いものが出来上がるはずだ。

メタボールやブーリアン、サブパッチなどモデリングに必要な機能はすべて網羅されている。粘土細工を思い出してほしい。ちょうどあんな感じでも、モデリングできる。これらに質感を設定していくのだが、複雑かつリアルな質感が納得いくまで作り込める点も特徴だ。さらに毛髪・毛皮生成プラグイン「SasquatchLite」を使えば、従来難しかった体毛に覆われた動物も楽に作れる。

言うなればここまでが撮影前の下準備といったところだ。モデルができれば、後はレイアウトを行う「LightWave」でアニメーションやライティング、カメラのセットアップだ。つまり撮影である。役者に演技を指示してカメラのアングルや動きを設定する。

やはり定評のある、充実したアニメーション機能がそれをサポートする。ボーンによるスケルトン設定、インバース/フォワードキネマティクスによる効率的なモーション設定など、まさに意のままにオブジェクトに動きを与えることができる。また、ソフトボディ・物理シミュレーションにより髪、布や筋肉の動きなど、これまでモーション作成に膨大な労力を必要としていた作業を自動的に設定することができるようになっている。

納得のいくシーンができたら、ムービーに書き出すレンダリングだ。いわゆるトゥーンレンダリングでアニメ調作品にするのもいいだろう。非常にリアルでさまざまなオプションの用意されたラジオシティレンダリングはハイエンドの名にふさわしい美しい仕上がりを実現している(もっとも計算に時間がかかるためアニメーションには不向きだが)レイトレースでは高速なレンダリングと美しさを両立している。

派手なエフェクトを簡単に作成

最近のCMなどでは実写映像に3D CGを合成する手法がよく見られる。気にしなければ合成とはとても思えないクオリティだ。こういった、実写との合成についても考えてみよう。合成にはいくつのタイプがある。CGに実写を合成、実写にCGを合成、そして静止画と合成か、動画と合成かといったものだ。

例えば、町並みの写真をバックに恐竜が通り過ぎるなんてどうだろうか。この場合は静止画像をシーンのバックグラウンドとして読み込めばよい。影を落とすポリゴンを地面として置き、カメラのパースやライティングの調整をしっかり行えば、かなりのクオリティになる。

足下から煙が立ち上るなんていう効果もLightWave3D搭載の「HyperVoxels」でばっちりだ。これはパーティクル(粒子)に非常にリアルな煙や炎、ボリューム効果を加えるヴォリューメトリック機能で、パーティクル発生機能ParticleFXと合わせて使う。ついでに口から炎も吐いてもらってもいい。こういった映像作品のハイライトとも言える特殊効果がLightWaveにはたくさん用意されている。

「Skytracer」という機能を使えば、さまざまな空を生成できる。画像を置くわけではないので、アニメーションのシーンではとてもリアルだ。これで幻想的な場面もお手の物である。ただし、動画と合成には高度なテクニックが必要になるし手間もかかる。できればAdobe AfterEffectsなどのムービー編集ソフトを利用したほうが現実的だ。また、プラグインが必要だが、SWF形式(Flash)に書き出せるので、Webでの配信も考えられる。

これだけ高機能なソフトをマスターするには、やはりそれなりの時間が必要になるが、そういった時の参考となる情報が書籍やWeb上にたくさんあるのがとても心強い。クリエイターのさまざまな要求に応える機能満載のLightWaveはいち押しの製品である。

★チェックポイント
3Dで作るメリットは、1度モーションを付けてシーンを作ってしまえばカメラワークを変えたり、照明や質感を変化させたさまざまなカットが撮れる点である。また独自の世界観をもった作品が比較的簡単に作れることも大きなメリットだ。長年映像業界で使われ進化してきたLightWaveはムービー制作の強力なパートナーとなるだろう。

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Modelerの画面とSasquatchLiteを使用したクマのレンダリング画像。サブパッチを用いて滑らかな表面になっている。ポリゴンとサブパッチの切り替えはTabキーを押すだけ
 
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風景の写真とモデルを組み合わせる例。ヘリの影が落ちる地面を設定している。右下のレンダリング画像はモーション・ブラーによってリアルだ。右上はHyperVoxelsによる煙の表現

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Skytracerによる空の表現。雲の量や星なども設定可能で、もちろん時間帯を指定することもできる
 
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ラジオシティによるレンダリング。柔らかな影とオブジェクトの下にも回り込む間、間接光が特徴だ

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通常の24ビット画像よりも高い階調を持った形式、HDRI(High Dynamic Range Images)と被写界深度を調整する「Digital Confusionを設定した画像
 
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宇宙船の後部から出ている火花はパーティクルを使用している

サブパッチ
 
ラジオシティ
サブディビジョン(細分化)サーフェイス技術により、ポリゴンを曲面に変換し、有機的な形状も容易に作成する機能。ポリゴンを構成する各頂点に"ウェイト"を持たせることができるため、より軽いデータ上で、細かな曲面編集が可能だ
 
間接光の効果を表現するレンダリング方法。 オブジェクト相互の拡散反射をシミュレートし、従来のレンダリング手法だけでは不可能だった柔らかな光や影の表現が可能

◆開発元 米ニューテック社
◆発売元 (株)ディ・ストーム TEL03-5570-8722
◆価格 オープンプライス(実売:20万円前後)
◆必要空きメモリ 256MB以上(512MB以上推奨)
◆必要ハードディスク容量 400MB以上
◆必要システム PowerPC G3以降、Mac OS 9以降、Mac OS X

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