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徹底研究:iBook(FireWire)(MacNN)

執筆:Misha Sakellaropoulo

米Apple社は、新しいiBookを「Apple expo 2000」で公式に発表しました。FireWireポートを1基搭載していることから「iBook(FireWire)」と呼んでいます。これは、iBookの3回目のリビジョンアップで、1999年の「MACWORLD Expo/New York」で発表された製品から、最初の大きな変更になります。

最初のiBookは、300MHzのPowerPC G3、32MBのメモリ、3.2GBのハードディスクを搭載していました。これは、後に、2000年2月の「MACWORLD Expo/Tokyo」で、メモリが64MBに、ハードディスクが6GBに増やされました。Graphiteカラーの「iBook SE」(「SE」は「Special Edition」を表しています)も、このMACWORLD Expo/Tokyoで登場しました。標準のBlueberryとTangerineカラーのiBookより、300ドル高く、2倍のメモリと366MHzのPowerPC G3を搭載しています。


Key Limeカラーの新しいiBook

iBook(FireWire)には、標準モデルとSpecial Editionの2つのモデルがあります。標準モデルは、Indigoカラーと、鮮明な明るい緑色のKey Limeカラーです。SEモデルは、従来通りのGraphiteカラーも用意されていますが、Key Limeのモデルを購入することもできます。iBook(FireWire)の価格は、1,499ドルと1,799ドル(日本では、それぞれ、17万8,000円と19万8,000円)と据え置かれています。

プロセッサ

iBook(FireWire)の心臓部には、新しいPowerPC G3が搭載され、これは一般に「PowerPC 750CX」として知られています。CPUクロックは、366MHz(標準モデル)と466MHz(SE)です。従来のプロセッサと違い、このCPUは、オンチップの2次キャッシュを搭載しています。

オリジナルのiBookは、CPUクロックの半分の速度で動作する、512KBのバックサイドキャッシュを搭載していたのに対し、iBook(FireWire)は、CPUクロックと同じ速度で動作する256KBのオンチップ2次キャッシュを搭載しています。


「PowerPC 750CX」

バックサイド2次キャッシュは、CPUのパフォーマンスを劇的に改善し、512KBのキャッシュは、CPUパフォーマンスを約25〜40%押し上げています。サイズが半分になり動作速度が2倍になった、新しいオンチップの2次キャッシュが、バックサイドキャッシュより優れているのか、それほどの結果を残せないのか、ということは調査が必要でしょう。

しかし、新しいG3は、オンチップキャッシュ以外にも、従来のCPUよりも優れた別の利点を提供しています。米IBM社の文書によれば、従来のCPUから独立したバックサイドキャッシュには欠けていたパワーセービングの機能により、消費電力を約40%抑えているとのことです。

さらに、iBook(FireWire)のSpecial Editionは、「PowerStep技術」を備えています。これは、より多くの電力を節約するために、「省エネルギー設定」コントロールパネルで、466MHzのCPUクロックを366MHzに設定するものです。約25%CPUクロックを落とす「プロセッサ・サイクリング」が、iBook(FireWire)のオプションにもあるのかは不明です。

iBook(FireWire)が、現行のMacの中で唯一、64bit、66MHzのシステムバスを持つモデルであることは従来のままです。すべてのPower G4、G4 Cube、PowerBookは100MHzのシステムバスを持ち、これはパフォーマンスの向上に重要な効果を持っています。

このように、iBook SE(466MHzのPowerPC G3、オンチップの256KBの2次キャッシュ、66MHzのシステムバス)が、400MHzのPowerBook G3(400MHzのPowerPC G3、1MBのバックサイド2次キャッシュ、100MHzのシステムバス)より、優れた性能を持つということは、非常に疑わしいと思われます。

ディスプレイとグラフィック

新しいiBookは、加ATI Technologies社の「Rage Mobility 128」のAGPチップセットを搭載しています。これは従来のiBookに搭載されていた「Rage Mobility」からの重要な進歩と言えます。Rage Mobility 128は、PowerBook G3で使われているのと同一のチップセットで、PowerBookと同様に、iBook(FireWire)には、8MBのビデオメモリを搭載しています。従来のiBookでは、4MBのビデオメモリを搭載していました。

Rage Mobility 128は、現在ATI Technologies社の主要な先進的モバイルグラフィックチップであり、発表されてから8カ月経つにもかかわらず、業界全体でも最高のパフォーマンスを示すグラフィックチップの1つです。3Dゲームにおけるすばらしいフレームレートは、ネイティブの800×600ドットの解像度であっても、iBook(FireWire)には問題ありません。しかし、最適のパフォーマンスを得るために、ユーザーは640×480ドットに表示を縮小するかもしれません。

iBook(FireWire)は、オリジナルのiBookが使っていたのと同じ、解像度800×600ドットの12.1インチのTFTフラットパネルディスプレイを搭載しています。この解像度は、画像の明瞭さとシャープネスを犠牲にすれば、640×480ドットに縮小することができます。

メモリとストレージ

iBookとiBook SEはともに、64MBのメモリを搭載し、仮想メモリをオンにして出荷されます。多くのユーザーは64MBのメモリを追加するでしょう。多少高価ですがApple社に注文するか、多くのサードパーティから購入することができます。

iBookは、66MHzで動作する、従来モデルと同じSO-DIMMメモリを使う、ロープロファイルのスロットを持っています。このスロットに、iBookに256MBのメモリを追加することで、最高320MBまで増設することができます。

iBookは、PowerBook G3で使われているのと同じ、100MHzで動作するSO-DIMMにも対応していますが、これを使用した場合でも66MHzで動作します。

どちらのモデルのiBookも、10GBのハードディスクを搭載し、これも多少高価ですが、20GBに増やしてApple社に注文することができます。20GBのハードディスクを注文する場合、追加の64MBメモリと同時に、500ドル(日本の場合、5万9,000円)の追加料金で購入しなければなりません。

内蔵のハードディスクドライブを交換するには、完全に分解しなければならず、これは非常に難しい作業です。また、Apple社の保証も受けられなくなります。このように、10GB以上のストレージを必要とし、外付けドライブを持ち運びたくない場合、20GBのドライブオプションは考慮すべきかもしれません。

標準のiBookは、従来モデルと同じ24倍速CD-ROMドライブを搭載していますが、iBook SEは、その代わりに6倍速DVD-ROMドライブを搭載しています。このために、iBookを買おうとしている何人かは、SEモデルを購入するかもしれません。iBookでDVDムービーを観るためのDVD Videoデコーダは、DVD-ROMドライブに付属しています。

CD-ROMとDVD-ROMドライブは交換することができません。同様に、iBookのCD-ROMドライブはiBook SEのDVD-ROMドライブと取り替えることもできません。


I/O(電源)

iBook(FireWire)は、1基のUSBポート、10/100BASE-TのEthernetポートと56Kbpsのモデムを搭載しています。新しいiBookが、前モデルと異なるのは、1基のFireWireポートと新しいA/Vポートを搭載しているところです。

 
FireWireケーブルが接続されている。
一番右のジャックが「AVポート」

このFireWireポートは、最高400Mbpsで動作し、「FireWire Booting」や「FireWire ターゲットディスク・モード」のサポートなど、他のMacのFireWireポートで提供されているすべての機能を備えています。

FireWire Bootingは、FireWire接続のドライブからiBookを起動できるものです。この機能は、iBookにUSB接続されたドライブでも利用できます。FireWire ターゲットディスク・モードは、iBookをFireWireで他のMacに接続し、iBookのドライブを他のMacから外部ボリュームとしてマウントできるものです。この機能は、iBookをパワーダウンすることで呼び出さすことができ、FireWireケーブルでiBookと他のMacを接続し、iBookを起動する間、「T」キーを押しつづけたままにします。

オリジナルのiBookに搭載されていた標準のオーディオ出力のジャックの代わりに、新しいiBookでは、多目的に使うことができるA/Vポートを搭載しています。このA/Vポートは、ヘッドフォンやスピーカなどを接続する一般的なオーディオジャックとして機能するだけではなく、A/Vケーブルを使うことで、ビデオとオーディオのコンポジットとしても機能します。


新たに採用されたAVケーブル

このA/Vケーブルは、ビデオ(黄色)、オーディオの左(白)とオーディオの右(赤)の3つの標準RCAコネクタに分かれています。これにより、iBookをテレビやRCAジャックを搭載するAV機器に接続することができます。iBookは、640×480ドットまたは800×600ドットの解像度で、NTSC方式とPAL方式で表示することができます。

iBook(FireWire)は、45WHから48WHまで出力が増え「改善された」バッテリを搭載しています。このため、さまざまな省電力機能が追加されたにもかかわらず、iBook(FireWire)は、オリジナルのiBookほど長時間、バッテリで駆動することはできないと思われます。

最後に

簡単に言って、Apple社は、iBookのアップデートに多くの仕事をしました。非常に要望の多かった、いくつかの機能(VGAポートなど)は、依然として搭載されなかったものの、iBookは、従来モデルに、さらに強力な機能を加えています。現在、わかっていることだけでは、Apple社が同じように、PowerBookに重要なアップグレードをするかどうかはわかりません。

(C)MacNN.com
http://www.macnn.com/

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