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夏の終わりが待ち遠しい! WWDC 2002基調講演レポート
次世代Mac OS X(開発コードネーム:Jaguar)は期待大!!

執筆:小林正明

● Mac OS Xの次期メジャーリリース

Macプラットフォームの開発者向けイベント「Apple Worldwide Developers Conference 2002」(以下WWDC)が、今年も例年どおり米カリフォルニア州サンノゼ市のサンノゼ・コンベンションセンターで行われました。WWDCとは、米Apple社がMacのデベロッパーに対し、そのハードウェアおよびソフトウェア戦略を指し示す重要な会議です。


WWDC 2002の会場となったサンノゼ・コンベンションセンター

今日はWWDC 2002レポート第一弾として、WWDCの幕開けである基調講演をレポートします。

Apple社CEOのSteve Jobs氏の基調講演から始まったWWDC。5,000人規模の会場は世界各国から集まったデベロッパーや学生でほぼ満席状態で、日本からは180余名の開発者が参加していました。


世界各国から集まったデベロッパーや学生でほぼ満席状態

ところで、基調講演に先立ち、Appleは今回、次世代のMac OS Xをプレビューするとデベロッパーサイト(http://developer.apple.com/ja/wwdc2002/)で事前予告をしていました。もはやすべてのMacでMac OS Xが標準システムとなり、またネイティブ対応の主要アプリケーションが出揃った今、Macソリューションのさらなる飛躍を担う次期メジャーリリースには当然ながら注目が集まります。はたしてその中身はどれほど我々に訴求できるものだったのでしょうか。

● 棺桶の中にMac OS 9、そしてJaguar現る


スクリーンに礼拝堂が映り、壇上にはスモークが炊かれ‥‥

大きな棺桶からはMac OS 9のパッケージが!

壇上に焚かれたスモークの中から突如現れた大きな棺桶。BGMにはパイプオルガンで演奏された音楽が流れています。チャラリーン、チャラリララッラーン。

神妙な面持ちでSteve Jobs氏の登場です。どうやらこれは誰かにお別れを告げる葬儀の模様のようです。Jobs氏が棺桶を開けました。中には、Mac OS 9がいます。Mac OS 9を抱きかかえたJobs氏は「これまで多大なる貢献をしてくれた友人『Mac OS 9』よ。今までありがとう」と最後のお別れを告げ、1分間の黙とうを捧げました。


「Mac OS 9 安らかに眠れ 1998〜2002年」
Mac OS 9への別れを
パンチのきいた演出で表現した

そうです、これはMac OS 9との完全なる決別を演出した葬儀風オープニングなのです。何ともきわどい演出に見えましたが、これはすでに3,000以上にものぼるMac OS X対応のアプリケーションを開発してくれたデベロッパーへの感謝を表すものであり、Mac OS 9時代との決別を再認識し、そして新しいMacの時代を万全の体制で迎えようとする意味が込められていました。


そして登場したのがコードネーム「Jaguar」 いつもは黒地に白い時だけのスライドが派手になっている

そして次世代Mac OS X(開発コードネーム:Jaguar、以下Jaguar)のプレビューです。明らかにされたJaguarの特徴をごく簡単に要約すると、以下のような点が挙げられます。

  • Finderの新機能──待望の「フォルダナビゲーション」に対応、Finderウインドウのツールバーからファイル名検索が可能になり、ファイルコピーのパフォーマンスが向上
  • Sharlock III──キーワードからのイメージ検索や検索結果をSharlock上での表示といったチャネル検索の強化が特徴
  • QuickTime 6──Jaguarに統合されるQuick Time最新版。MPEG-4の対応、AACの採用、無料ストリーミングサーバ機能搭載、リアルタイムブロードキャスト機能搭載
  • iChat (アイチャット)──AOL社と共同で開発されたAIM(AOL Instant Messenger)との互換性を保ったインスタントメッセンジャー
  • Universal Access──ズーム機能やスクリーンリーダ、フリーキーボードアクセスを持つ
  • Quartz Extreme──AGP 2X+32MB VRAMのシステムが必要だが、2Dと3D、ビデオをハードウェア的にアクセラレートできる機能
  • Inkwell──手書き認識システム。テキストシステムに統合されており、「Adobe Photoshop 7」上で、手書きした文字をドキュメント上に追加、修正するデモを実演。Terminalの手書き利用も可
  • Rendezvous(ランデブー)──例えば、AirMacを使って別のMacにある「iTunes」の曲をストリーミングして何の手間もなく聴くことができる新しいテクノロジー。複数のMacでの動的なIPネットワークが構築でき、ファイルやUSBの共有が行えるというもの
  • Address Bookの強化──コメント入力や電話番号の大画面表示、地図添付のメール作成などデータベースの役割を強化
  • Mailの機能強化──ジャンク(スパム)メールのフィルタリング、ルール設定の強化、InBoxの統合による複数アカウントのメール一覧表示などの機能を追加
  • ヘッドレスなサーバマシン──Mac OS X Server版Jaguarのためのラックマウント式サーバマシンを発表。今回は本体フロント部分のみを見せ、詳細は出荷開始となる5月14日に発表するとのこと。このサーバマシンは、NetInstallやNetBoot、OpenDirectory(LDAP)に対応し、サーバに最適化されたJava VMを搭載、ディスクやメールの上限設定にも対応している

● Jaguarの狙い、そしてデベロッパーへの期待

基調講演終了後、デベロッパーには3枚構成のJaguar Developer Preview版CDが配付されました(Mac OS X "Jaguar" Developer Preview、Mac OS X "Jaguar" Developer Tools、Mac OS X Server "Jaguar" Developer Preview)。ちなみにこれは、非公開なデベロッパープレビュー版CDであり、登場までその中身を明らかにしてはいけない約束の元、配付されました。なお、次世代Mac OS Xの正式リリースは今年の夏の終わりを予定されています。

AppleはJaguarを紹介するにあたり、以下の狙いとデベロッパーに対する期待を挙げました。

まずはUNIX Toolsの強化をすることで、UNIXユーザーやまったくMacを使っていないユーザーに対してMac OS Xへの移行を進めること。そしてWindowsユーザーに対してもSMBのブラウズと共有やVPN、Active Directoryのサポートなどの新機能を追加することで訴求したい。また、教育分野においてもSimpleFinderやNetInstall、NetBoot、ユニバーサルアクセス、USBプリンタの共有といった機能をアピールしたいとのことです。

そして、デベロッパーには開発環境をより改善したJaguarをベースに、Mac OS X向けのさらなるすばらしいアプリケーションを開発してほしいと訴えました。

基調講演終了後、CDを受け取ったあるソフトメーカーの日本人開発者は「今スグにでもインストールして使ってみたい」と話していました。Mac OS X 10.0の時とは明らかに違うであろうJaguarのプレビュー版に、開発者も素直に喜んでいる様子でした。


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